法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『テイルズ オブ エターニア THE ANIMATION』

2001年にWOWWOWで放送された、ファンタジーゲーム原作のTVアニメ。うえだしげる監督、川崎ヒロユキシリーズ構成。

良くも悪くも今は亡き制作会社ジーベックらしい、フェティッシュな性的シーンや原色ギトギトの彩色に満ちたファンタジー。作画がどんどんヘロヘロになっていくのもいつものパターン。いのまたむつみデザインのおかげか、ちゃんと水着などが文明レベルにあった縫製技術で作られているっぽいのは良かったが。


物語については、1クールとはいわないが、半クールくらいを飛ばして旅の途中から始まるシリーズ構成が謎。それゆえ旅の始まりは夢で見た回想ですまされる。それでいて3話から小さな諸島の王国に何話も泊まって、水泳勝負や温泉や酒屋のバイトなど萌えアニメっぽいエピソードが連続するのも謎。
……などと思っていたら、その小さな諸島が主人公チームの目的であるふたつの世界の衝突が歴史的に残された場所であることが判明。ロードムービーのように思わせて、予定外にたちよった場所こそが本筋の象徴的な舞台だった、という構成は意外性があって良かった。
本筋の黒幕っぽい存在も、主人公チームがロードムービー展開にもどるように思わせて、その真相でひっくりかえす。陰謀がそれなりにそれっぽくおこなわれていて、最終回まで見れば納得感はそこそこあった。大筋の話は結局アニメでは終わっておらず、大長編から1エピソードを抜き出したという感じは変わらなかったが。