芙羽にさけられているようだとローズマリーがなやんでいた。そこで和実は街にくりだそうと芙羽をさそうが、芙羽は距離のつめかたがわかっていなくて……
意外なスタッフとして、メカデザイナーとして知られるカトキハジメが絵コンテを担当。おそらく東映アニメーション作品には初参加で、女児向けアニメでも数年前に『アイカツ!』シリーズに参加したくらい。もともとコンテマンとしての仕事は多くないものの堅実*1。今回は良くも悪くも違和感なく普通にまとめていた。
ちょっと特別に感じたのは『プリキュア』シリーズでは珍しいシンプルなデフォルメ顔や*2、キュアスパイシーの必殺技がどのように組み立てられているかをていねいに描いたアクション描写。背景ではなく前面に文字が流れる、今となっては古臭いニコニコ動画風の演出も、フォントをかわいくして導入。スペシャル的なアクション回でもないのに背景動画をつかっていたところも少し珍しいかな。
物語の本筋は、コミュニケーションがうまくない新しい仲間を、コミュニケーション能力にあふれる主人公が力強くひきこんでいく定番。そこにマイノリティ的なローズマリーが疎外されていることを恐れながら加わる。主人公側が距離をつめていくだけでなく、ローズマリーが大人として相手のうまくいかないところもふくめて尊重するあたりは好ましい。
他に、さらっと背景で流される生徒会長が世界観から浮かない程度に目立つ。すでに各所で正体が指摘されているが、物語を壊すほどには目立ちすぎず、伏線になるよう埋没もさせず、いい塩梅だった。
華満らんも、きわめて少ない出番なのに印象的。このまま新プリキュアとして本筋に参加せず、敵の暗躍でひどい目にあいつづける天丼キャラのままでも楽しいかもしれない。さすがに半クールもすぎたし、次回予告を見ればプリキュアに加入するようだが……