法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『トロピカル~ジュ!プリキュア』第24話 熱血バトル! トロピカる部VS生徒会

生徒会長が受けていた学園の取材を、トロピカる部が邪魔してしまう事故が起きた。そこから生徒会とトロピカる部の対立を立ち聞きしていたクイズ番組の司会者が対決をもちかける。部活動の存続をかけてトロピカる部は体をはったクイズにいどむが……


ひさびさの感がある白鳥百合子回。メインキャラクターでは高頭身な滝沢と競いあう構図が多いのに、上手くも可愛らしい松浦仁美作画監督の絵柄はあまりあってない気がした。
ともかく本編のクイズ対決だが、トロピカる部だけでなく白鳥も最初から前のめりな脳筋ぶりが楽しい。クイズ内容も低年齢の視聴者にあわせてか、答えをあてる難しさより、その答えを提示するまでの身体的なハードルが障害となる。わりとクイズ番組らしくしたてていた過去作のクイズ回と比べて差別化はできている。
ただ、ばらまかれた数字カードから鶴の伝説的な寿命をさがすクイズにはじまり、あまりクイズそのものの説得力や意外性は感じなかった。カード1枚ではなく組みあわせる必要がある引っかけが、そもそも悩むような引っかけに思えない。
次に、○×の二択に飛びこむ定番のクイズ形式も良くない。自信満々なローラが予想通り外すわけだが、むしろ正答が予想外。最大の「生き物」を問う文章ならばセコイアのような植物もふくまれるのでシロナガスクジラが最大ではない。ローラが死んだダイオウイカを答えたように、現時点という条件がなければ動物でも太古の恐竜がシロナガスクジラを超える。直前が意地悪クイズっぽい要素があっただけに、不正確な表現でシロナガスクジラが正答あつかいされたことは疑問しかなかった。
三つ目の、予算内に重ね着をして胴回りの太さを競うところは良かった。夏の暑さに耐えるレースでもある。現実のTV番組でも使えそう。風紀委員ゆえの処罰のためのファッション知識や、鈴村のファッション知識が活用されたところもキャラクターにあっている。もはやクイズではないが。
最後は舞台となる市の名前という、クイズ番組内でも連続して見せている正答を口にするため、ボタンのある場所まで滝沢と白鳥が走って終わり。優勝して滝沢が緊張して何も言えないところをフォローするのが鈴村なのは、意外性と納得感あったかな。


それと最後まで見て、今回は基本的に主人公は足を引っぱることしかしていない……最初の事故からして現場要員だったし、重ね着勝負では無駄にイヤリングをつけて金額オーバー、最後のクイズでは途中でこける……滝沢と白鳥の勝負に物語を集約したかったのだとしても、いろいろな意味でどうかと思った。
近年は感心する名エピソードの多い村山功脚本だが、複数キャラクターの各視点を重視するつくりが今回のコンセプトには合ってなかった感じがする。唯一の正答へ指向させるクイズ番組という形式は多面的な視点と相反するのだろう。