法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『相棒 Season19』第19話 暗殺者への招待

白バイ警官の銃撃で逮捕された女性が、女性弁護士の接見後に証言をひるがえそうとする。女性弁護士は上級国民専門の事務所に若くして居候している優秀な人物で、その背後に銃撃を示唆した富豪がいると思われた。そして銃撃犯の女性の協力者として、善良な義母が浮上してくるが……


輿水泰弘脚本による、枠を少し拡大した最終回前編。今期の初回前後編*1で逃げのびた大富豪が、VR世界を売りはらって逮捕からも逃れた後日談が描かれる。
特命係が早々に喝破したように、容疑者の女性と女性弁護士の関係があからさまで、大富豪の行動も資産をつかったゴリ押しでしかなく、展開に意外性がまったくない。現在の時制にあわせた冒頭から半年さかのぼって出来事を描いていく手法も、単調さをおぎなうにはいたらない。
ようやく画面に刺激が出てくるのは、気の迷いで暗殺を依頼したと義母が自首してきた終盤。しかしそれも、代用監獄内の義娘とのやりとりで裏があることがうかがえるし、その内実の見当もついてしまう。


何より、その義母娘のやりとりで、手紙をつかった暗号がしかけられていることが見え見えで、その難しさも児童向けのなぞなぞレベル。それに気づいてなさそうな女性弁護士が、ただの設定倒れに見えてしまう。
種があからさまで幼稚な手品を見つづけることほど退屈なことはない。マギー司郎のようにそれを逆手にとったどんでん返しを期待したいところだが……