法華狼の日記

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愛知県知事リコールは、選挙管理委員会が調べた範囲で8割以上の不正が見つかったとのこと

以前から不正署名の多さが疑われ、告発的な証言も報道されてきたが、実際に執行機関が調査して判明したことは重い。
14選管で署名の8割超が不正か 愛知知事リコール運動で | 共同通信

選挙管理委員会は28日、署名の提出があった県内64選管のうち、14の選管の署名を調べたところ、署名の8割超が選挙人名簿に登録されていない人物や、同一人物の筆跡と疑われる署名があったと明らかにした。

新型コロナ禍における政治活動の難しさなどもあるだろうが、そもそも「あいちトリエンナーレ」における大村秀章氏への批判が実態よりも誇張されていただけかもしれない。不正を無視するとしても、リコールに遠く達しない署名しか集まらなかったのだから*1
記事によると選管はさらに調査をつづけるそうで、刑事告発する可能性もあるそうだ。

年明け以降も調査を継続し、悪質と判断した場合は県警への刑事告発も視野に入れるという。選管の担当者は「現行の直接請求制度の問題点や課題を示すものが非常に多く見られる」としている。


あるいはリコールという制度の重みが、街頭やインターネットの署名活動くらいのイメージをもたれているのかもしれない。
思えば「署名」という言葉の一般的なイメージや、「リコール」のようなカタカナ語には、軽い印象がないではない。支持を受けて選挙で当選した政治家をやめさせる重みは、ある意味では選挙よりも厳密さが求められる。
もちろん、こうしたイメージの齟齬は軽々しく署名した人々の責任を多少は軽減するとしても、リコールを扇動した人々が責任から逃れられる理由にはならないし、してはいけないが。

今回の米国大統領選はくりかえし過去にない正当性が宣言されてきたが*2、その不正を訴えていた人物*3がひきいた運動で多数の不正が発見されたことが皮肉だ。

*1:約86万人必要なところを約43万人の署名が提出されたので、ちょうど約半分。mainichi.jpただこれは活動を途中で断念したことも一因で、高須克弥氏は会見で自身の健康状態を理由にあげていた。

*2:これまで選挙権を行使できなかった人々が新しく投票できたことが、ジョー・バイデンを勝利にみちびいた要因のひとつだった。 www.bbc.com

*3: