法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『人狼 JIN-ROH』のプリーツスカート作画GIFをはれる空気じゃないね……

それはそれとして、「WEBアニメスタイル」の監督インタビューでスカート描写について技術的演出的な説明があったので、紹介しておく。
WEBアニメスタイル_アニメの作画を語ろう

冬の話だから、結局、肌が露出してるところって脚しかないんですよ。だから、顔以外で何か肉体的な事を表現しようとした時に、脚に行き着いちゃうのは、その時の自分の中では仕方のない事で。

ミニスカートのブームはもうちょっと後なんですよね。まあそれはアニメだからっていう事で敢えてやりました。あと、スカートが膝下にあるか膝上にあるかで、作画の手間がえらく違ってくるんです。膝下に来た途端に、布の処理が難しくなるんですよ。泳ぐ、というか、余る布の量も違ってくるし。膝が見える事によって、動きのポイントがどこにあるかもつかみやすい。そういう事も考えて、時代考証はいいから、ミニスカートにさせてもらおう、と。

人狼 JIN-ROH』は「能面」*1とも評されるキャラクターデザインで、作画スタイルも精緻で硬質。衣服のアニメーションも、人体の動きにひきずられて布地が動くというリアリズムに満ちていた。

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さらに主人公は治安対策の業務において、素肌を完全に隠す姿をとっていた。それと対比される生々しさの表現において、生足を目立たせることを選んだわけだ。

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もちろん観客が喜ぶことも意図していると語られているが、アニメ映画としての作風や流行の画風との違いから考えて、いわゆる性的サービスとして求められていたわけではないとも思う。
あと、日本のサブカルチャーにおける作画スタイルが、もとはアニメだからこそ求められた省力や誇張が、漫画やイラストにも影響を与えていった流れもある、といったことも感じた*2

*1:たしか公式的な媒体に、海外の映画評として引用されていたはず。

*2:著名な例として少年漫画『NARUTO-ナルト-』の作画は、『人狼 JIN-ROH』のキャラクターデザインもつとめたアニメーター西尾鉄也の影響を受けている。