法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『相棒 Season18』第5話 さらば愛しき人よ

人気の覆面詩人が殺害された。しかし殺人現場で冠城の写真が見つかり、冠城は現場の死体が覆面詩人とは別人だと指摘する……


シンプルな社会派だった前回*1につづいて脚本は児玉頼子ルームシェアしていた女性が殺され、行方不明の女性をめぐって冠城の過去が浮かびあがる。
詩人が過去を隠したい理由として犯罪歴が出てきて、その犯罪の動機として家父長制的な社会問題もかかわってくる。女性同士のルームシェアは百合的な愛憎劇かとも思ったが、そうした家父長制社会と対峙するための空間だった。
そう思って事件の真相まで見ていくと、いつものこのドラマらしい急展開のサイコスリラーのようでいて、女性を傷つける動機が家父長制的なパターナリズムという構図に一貫性がある。


しかし青酸カリはどうやって入手したのだろうかという根本的な疑問は残った。真犯人の職種で入手可能な毒物を使うこともできたろうにと思ったが、しかしそれはそれで真相がわかりやすくなりすぎか。
それに加えて、真犯人がルームシェアの女性に青酸カリを飲ませることができた経緯も、ドラマの描写だけではよくわからない。普通に女性も可能そうな凶器を使った撲殺で良かったのでは。