法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『スター☆トゥインクルプリキュア』第10話 キラッキラ☆惑星クマリンへようこそ!

スターペンを探す星奈たちは、今度は惑星クマリンへ到着した。その宝石のような星の住人は、期待と異なる姿をしつつも、異星人の突然のたのみに協力してくれたが……


第8話*1と同じく、異星のスコシフシギな人々と異文化コミュニケーションをはかる寓話。
今回はクマさんといっても可愛らしい擬人化動物ではない。マスコットのように背こそ低くても、髭の濃い中年オヤジのようなデザイン。そして手足の多さはクマムシに似ていて、実際にクマリンの過酷な環境に耐えていく。その過酷な環境が植物などを宝石のように進化させたとも説明される。
デザインはキモカワイイといえそうなポップな異星人だが、初登場の印象よりもその地で生きる存在として考証されていて、そのギャップがSFらしさを実質以上に強く感じさせる。
ありきたりな宇宙人像を使わず、ちょっとした理科的な豆知識を延長して、オリジナリティの高い異星人を設定できている。そしてそれが主人公がプリキュアとして一方的に優越するのではない、対等な他者との関係性をむすぶドラマへと密接にむすびつく。


1クール目の終盤とはいえ、敵幹部が集結してプリキュアへ総攻撃をしかける展開で、必殺技を止められるレベルまで追いつめられるのもいい。
そこから撤退するために宇宙船で脱出したのも、今作ならではの結末だ。過去シリーズでも敵に支配された異世界へ様子見にいくエピソードがあったが、今作の移動手段は地球人にも隠したいものであり、それゆえ新たなピンチを予感させて次回へつづく。