急成長をつづける中国について、「国をあげた国産マンガ・アニメ振興策」に着目した作り。
どうなる?日本のマンガ・アニメ ~中国 急成長の衝撃~ - NHK クローズアップ現代+
これまでクール・ジャパンの象徴とされてきた日本のマンガ・アニメで異変が起きている。国民的マンガ雑誌の編集部には、中国人作家の作品が持ち込まれ、地上波でアニメ化される作品も。日本の優秀なアニメーターを厚待遇で募集する中国企業も出てきている。
しかし国策による支援ばかりでなく、日本の転換が遅れている側面は言及されていない。たとえばスマートフォン配信を前提とした縦スクロールのフルカラー漫画形式は、中国以外でも韓国で先行していた。
もちろん日本でもWEBサイトでの鑑賞に特化した漫画演出はさまざまに試されてきたが、それは実験的な挑戦にすぎないものばかり。チャット形式などを意識した作品が出回る小説市場に大きく遅れている。
また、文化の発展時によくある先行作品の模倣を、発展を遅れさせるような課題ととらえる意識も首をかしげる。
ただ、課題もまだあります。中国では、アニメのキャラクターを模倣するなどして、著作権を侵害する行為が繰り返されていて問題となっています。こうした行為が、健全なアニメ産業の発展を妨げていると専門家は指摘しています。
日本のアニメをふりかえれば、『宇宙の戦士』のパワードスーツ*1が『機動戦士ガンダム』のモビルスーツの元ネタになったし、日本の時代劇を意識した『スターウォーズ』のライトサーベルから逆輸入するようにビームサーベルが生まれた。
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その後もハリウッド映画を意識した作品はあまたある。そうした模倣のエネルギーをたもったまま、健全な市場によって行きすぎを抑制していくことが発展をうながすのではなかろうか。
中国では国産コンテンツ保護のため海外作品の上映が規制されているという問題があり、合作することで規制をすりぬけられるようになったことも紹介されている。
日本のアニメ会社が期待をする取り決めが、去年5月、日本と中国との間で交わされました。もともと中国では、海外映画の上映本数に制限があるため、日本作品の中国進出には壁がありました。しかし、日本と中国が共同で制作する「日中合作」の作品であれば、規制の対象外となったのです。
ただ、合作により規制をすりぬける前例として、日中戦争を題材とした2008年の映画『チルドレン・オブ・ホァンシー 遥かなる希望の道』が合作となった事例がある。
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2018年のとりきめとは、それがアニメに拡大したということなのだろうか。
それはそれとして、巨大な市場が開拓されたことで、中国と日本の下請け関係が変わりつつある様子はやはり興味深い。
中国原作のアニメを、日本で制作。中国で公開しようとする動きも出ています。
去年6月、日本人とともに都内で事業を立ち上げた、鄧志巍さんです。手がけているアニメは、ほとんどが中国国内向けです。
豊富な資金源を期待できることから、立ち上げ直後から日本のアニメ業界では珍しいような補助をいくつもつけているようだ。
高い技術力を持った日本のクリエーターとともに制作しようと、採用活動を進めています。契約社員も多いアニメ業界で、正社員を募集しています。条件に応じて家賃を補助。残業の少ない環境を整備するなど、スタッフの待遇に力を入れています。
念のため、海外市場向けに好待遇のアニメ制作がおこなわれることは過去にもある。たとえば出崎統監督はすでに巨匠であった1980年代後半、いくつもの海外向け合作アニメを監督していた。
WEBアニメスタイル | アニメ様365日 第160回 大物監督達の海外合作作品
東京ムービー新社の合作は、積極的に海外に進出するためのものだった。同社の海外進出は、成功したとは言いがたいが、非常に意欲的な試みであったし、日本のアニメ史について考える上で、避けて通るわけにいかない重要な事件だ。
1980年代中盤から、東京ムービー新社以外のプロダクションでも、海外との合作が激増。アニメ界はちょっとした合作ブームを迎える。
テレコムアニメーションの海外向け下請けはつづき、2000年にも『バットマン・ザ・フューチャー 蘇ったジョーカー』*2という作品で作画全般と演出の一部を担当した。
『アニマトリックス』から始まるCM的な外伝短編の制作が流行した時期もあったし*3、マッドハウスがアメコミヒーローのTVアニメ化をおこなう時期も近年あった。
今回の変化が印象的なのは、ついに日本が欧米だけでなく中国から“買われる”ようになったという時代の流れだ。