法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

ベトナムの従軍慰安婦をもちだすことで相殺できるという日本人がいることがわからない

ベトナムが韓国へ反論したというデマがコピペbotによって話題になっていたのを見かけた。下記まとめで反論とともに紹介されている。
大拡散中デマ「ベトナムが、韓国から「最貧国」呼ばわりされて、その反論がメチャクチャ、カッコイイ」 - NAVER まとめ

ベトナムが、韓国から「最貧国」呼ばわりされて、その反論がメチャクチャ、カッコイイ。「我々はフランス・アメリカ・中国と戦い独立したが賠償を要求した事はない。多額の賠償金と援助でぬくぬくと成長した韓国に言われる筋合いは無い。ベトナム人と韓国人の民度と国家自尊心の差だ」

もちろんベトナムにしても、さまざまな戦争被害に対して状況に応じた補償を求めている。
たとえば枯葉剤製造メーカーに訴訟を起こしているNGO団体が存在した。
ベトナム戦争の枯葉剤を作ったのはモンサントだった この会社は今、遺伝子組み換え作物でベトナムに浸透している | ハフポスト

1997年、ベトナムは二国間協議で枯葉剤の問題を提起しはじめた。ベトナム共産党中央委員会書記長ドー・ムオイアメリカ財務長官ロバート・ルービンに、両国が協調して枯葉剤の問題解決に取り組むことを希望すると伝えた。これは、ベトナム政府が外交上で枯葉剤に関してとる公的立場だ。国民向けには、2004年にNGOベトナム枯葉剤被害者協会」が、モンサントをはじめとする枯葉剤のメーカーに対してニューヨークの裁判所に集団訴訟を起こした。この訴訟は、ベトナムモンサントなどの化学メーカーに対して起こした唯一の訴訟だったが、裁判所に棄却された。

現在のモンサントベトナム農業との経済的なむすびつきが強いそうだが、ベトナムの政府や関係者も補償を求める動きを支持したことがあるという。


そもそも、ベトナム戦争時代の米韓軍による性搾取を批判したところで、大日本帝国の犠牲となった個々人の訴えをとりさげさせることができるだろうか。できると思う人は、ベトナム戦争において日本が国家として米韓を支持していた過去をどう考えているのだろうか。
さらに根本的な話として、ベトナムにも日本軍に性搾取された被害者がいたのだ。仮に日本と韓国がベトナムに対して同じ加害国だとしても、相殺の方便として韓国の加害のみ主張することは二重に醜悪といえるだろう。
東南アジアの日本軍慰安所

ハイフォンの慰安婦の「検梅成績表」(一九四二年六月一三日)によるとベトナム人慰安婦一〇人の名前が記されている。この史料を持ちかえった元兵士の証言によると、「募集をすればすぐに現地人女性は集まりました」と述べ、ベトナム女性だけでなく安南人とフランス人の混血の慰安婦もいたと証言している(13)。