法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』あい棒/アトカラホントスピーカー

「あい棒」は、TVドラマに影響されて、誰でも相棒にできる秘密道具が登場。のび太しずちゃんとケーキを作ったり、スネ夫を相棒にしてジャイアンへ対抗することに……
放送前から告知されていた『相棒』とのコラボ企画。あくまで劇中劇あつかいではあるが、杉下と冠城の描写はそれなりに長かったし、どちらの俳優も芝居がかっているのでアニメになっても棒読みと感じない。
『相棒』を意識したオリジナル秘密道具もけっこう良くできている。江戸時代の駕籠かきという語源を意識しつつ、デザインはシンプルで、藤子F作品らしさがある。原作の「友だちの輪」*1のような精神操作系でありつつ、協力して課題を解決するという機能も明快。
しずちゃんとの協力で大失敗しつつ、スネ夫との協力で成功するというのも、普段と異なるキャラクタードラマとしての面白味があった。秘密道具の機能としては、普段の能力が反映されるか、成功する方向へ発揮されるか、どちらか一方にしぼったほうが設定が強固になったとは思うものの、どちらの協力も展開がそれなりに自然なので許せる。特に、のび太スネ夫ジャイアンとの戦いは、うまく連携しながら地形や伏線を活用していて、その智謀にけっこう感心した。


「アトカラホントスピーカー」は、その場しのぎの嘘ばかりつくスネ夫がごまかしきれなくなり、ドラえもんに泣きつく。そこで嘘がすべて実現する秘密道具を貸してもらうが……
2007年に映像化された後期原作を、アレンジをほとんど加えずに再映像化。伊藤翼の芸能活動でアニメオリジナル描写を追加したり、中学生の番長グループがスネ夫に去られて落胆する表情を足したくらい。
しかし前半とあわせると、スネ夫がフィーチャーされるという意味での連続性がある。ジャイアンとのコンビだと腰巾着でしかなくなるスネ夫だが、のび太とのコンビは意外と悪くないのかもしれない。