発端は、豪雨災害を受けて外遊中止をうったえる共産党の志位和夫氏のツイートだった。
そこで外遊中止を全否定した人々が、実際に外遊が中止されると肯定にまわる風景がある*1。
これらは災害にまつわる情報や変化に応じて意見を変えたのではない。政府与党が判断を変えたということ、それ自体を政府与党の判断を肯定する根拠にしている。
民主党政権だった東日本大震災においては、野党自民党が政権入りを拒否して審議拒否をくりかえしても、まず政府与党が国政の責任を負うことが広く理解されていたのに。
それでも最初から政府与党への信仰を根拠にしていたなら一貫性はあるし、基準を明かすだけの誠実さはあった。反論するために語った自説を、あっさり放棄したことが信仰の篤さをきわだたせる。
ちなみにフリージャーナリストの菊池雅志氏は、外遊しなくてもいいよう「来週」に首脳会議の場所を移すことを、重ねて志位批判できる根拠と考えている。
そもそも外遊をまだしていないのに帰国したとかんちがいしているあたり、現実の外遊には興味関心が薄いことがはっきりしている。
もっとも、この菊池氏は「韓国化」*2の用法を見ても単なる差別主義者であって、その判断に信頼をおくべき人物ではないのだが。
*1:ひとつはこちらのツイートのスクリーンショットで知った。ユピピ太郎 on Twitter: "志位和夫「外遊中止しろ!」 ネトウヨ「外遊を中止させるのは愚行でしかない」 ↓クルッ 片山さつき「全員一致で外遊取りやめを承認した」 ネトウヨ「さつきさんが言うなら間違いない」… "
*2:産経新聞の黒田勝弘氏を引くかたちで比較政治学者の浅羽祐樹氏が広めている言葉だが、浅羽氏の釈明はまったく実態に即していないと改めて思わされる。「韓国化する日本」という言葉について、タイトルにもちいた浅羽祐樹氏による説明と、実際の使用例の乖離 - 法華狼の日記