法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『HUGっと!プリキュア』第9話 丘をこえ行こうよ!レッツ・ラ・ハイキング!

ハイキングにいった野乃たちは、野乃妹のクラスメイト愛崎えみると偶然に出会った。どんなささいなトラブルでも恐れすぎる愛崎に、ほとんどの者は当惑するが、野乃はシンパシーをいだく……


プリティーリズム』シリーズから、前回コンテの菱田正和につづいて、今度は有賀ひかるが脚本として東映初参加。
過去の仕事はよく知らないが、やや子供向けを意識したかのようなリアリティラインは気にかかったものの*1、けっこう技巧的な構成は楽しめた。
特に、野乃たちのハイキングコースを意図せずパップルがなぞって、主人公のドラマが敵幹部のドラマに影響していくところがいい。くりかえしギャグとして楽しませつつ、次のパップルの反応が自然と気になる。そうしてふたつのストーリーラインが重なって、プリキュアのバトルがはじまる。ここ数話はいまひとつ関連していなかったドラマとアクションが、きれいに融合していた。
また、そのプリキュアと怪物が戦う局面において、野乃と愛崎が排除されているところもいい。仲間から孤立することで、ふたりが自然と語りあい、そのヒーロー的な側面がひきだされる。その熱量をもって後から参戦することで、一気呵成に勝利する説得力もあった。


あと、冒頭のあいさつで、前々回の薬師寺から前回の輝木というところは順当だと思ったが、今回をはぐたんが担当したのは予想外すぎた。ナレーションにあたる台詞をすべて赤ちゃんの意味不明な声ですませるという前衛っぷりが楽しい。
どうやら公式サイトでもエイプリルフールネタのひとつとしてテキストがすべてはぐたんになっていたらしく、いそがしくて確認できなかったのが残念だった。
プリキュアのエイプリルフールネタが面白い - ニチアサ報告書

*1:今回の作りなら河童の正体を猿と設定したほうが、猿にアイテムが奪われる展開の伏線として機能したと思う。