法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『HUGっと!プリキュア』第1話 フレフレみんな!元気のプリキュア、キュアエール誕生!

中学2年生の野乃はなは、超イケてる大人のお姉さんを目指している。しかし転校直前に自分で前髪を切ろうとしたところ、切りすぎてしまう。
しかも登校中に老婆を助けて、完全に遅刻。自己紹介も空回り。しかしそんな野乃を、隣席の薬師寺さあやは「カッコイイ」と評する。
さらに自分より遅刻した輝木ほまれや、不思議な赤ん坊やハムスターと出会いながら、野乃は怪物と戦うためにプリキュアとなる……


佐藤順一と座古明史が連名でシリーズディレクター坪田文がシリーズ構成、川村敏江がキャラクターデザインという布陣。
初回の演出は座古明史で、総作画監督は宮本絵美子、作画監督は『タイガーマスクW』で活躍した若手の太田晃博。冒頭の野乃家の風景に意外と力が入っていて、オムライスの質感が地味にいい。戦闘では、樹木越しのカメラワークで怪物の巨大感と空間の奥行きを表現したカットが良かった。プリキュアのアクションもオーソドックスにまとめていて、現代のアニメとして標準的な作画。


放映前にブラック企業vsシングルマザーという斬新な構図が期待と不安を集めていたが、実際の番組フォーマットは『フレッシュプリキュア!』くらいに先祖返りした印象。
硬直した会社のような敵組織という描写は懐かしさすら感じさせる。育児描写も、今回は登場人物の紹介とフォーマット構築に終始しているので、『おジャ魔女どれみ♯』ほど物語と密接な展開になるかは不明。今のところは『魔法つかいプリキュア!』で妖精を育てた描写と大差ない。
物語そのものも、シリーズの導入パターンを1話にまとめただけで、良くも悪くも安定している。ただ、転校から関係構築、変身から戦闘終了までを初回につめこんだため、ダイジェストを見ているような印象が残った。他のシリーズなら、関係構築を次回以降に回すか、変身した場面で第1話を終えただろう。
はっきり新しい印象があったのは、遅刻しても堂々としていて、屋上でもひとりでいる輝木くらいか。このシリーズでここまで“悪い子”がプリキュアになったのは、敵組織から寝返ったタイプしかいない。
あと、いきなり弁当の卵焼きを与えるとか、一目で気にいって会話しながら赤面するとか、そういうとこだぞ薬師寺