復活したプリキュア全員に追いつめられたエリシオは、地球をふくめたすべてを虚無的な空間へ飲みこんでいく。
プリキュアは、復活した人々のキラキラルで空間から脱出しようとするが……
田中仁シリーズ構成脚本に、暮田公平シリーズディレクター演出。1クール目の総作画監督をつとめた川村敦子が作画監督を担当し、原画に板岡錦や志田直俊*1や橋本敬史がクレジット。
さまざまなサブキャラクターのキラキラした言葉でプリキュアを支えつつ、ラスボスとの激しい戦闘と対話で決着をつける。ほとんど定番の流れを踏まえただけで意外性はないのだが、最終決戦らしい内容にはなっていた。
ひとつ興味深かった新展開は、ラスボスとなったエリシオが、ルミエルとノワールの力と融合することで、両性具有的な姿になったこと。ラスボスに近い存在が女性というパターンは過去シリーズや劇場版で何度かあったが、後続や上位の男性キャラクターとプリキュアが戦って決着することが通例だった。
もうひとつ、ノワールが捨てた自分の肉体に魂を与えられたのがエリシオで、そのエリシオがノワールをのっとったという過去の説明が、実際に回想されるとニュアンスが違っていたこと。エリシオの人格がまったくの人工物というわけでもなく、苦悩する人間の両面がノワールでありエリシオだという雰囲気だった。第46話で過去が説明された時は唐突に感じたし*2、もっと前倒しで視聴者に周知しておけば今回の衝撃が強まったと思うが、問題の提起と回収としては今回で帳尻があったとは感じた。
*1:前半のなめらかな動きの空中戦とエフェクトに特長がよくでていた。
