法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』世界は不思議であふれてる! ウソかマコトかSP

今年最後の放送は2時間SP。目を疑うような情景や、まだ真偽のはっきりしない研究が次々に提示されて、情報バラエティとして素直に楽しかった。


「詐欺師の意外な手口」は元詐欺師が詐欺を実演。ふたつのトランクをホテルへあずけて、しばらくフロントとやりとりして、ホテルを間違えたといってトランクを戻して出ていった時点で盗みを成功させたり*1。ガスバルブを新しく交換して料金を節約したといって手間賃をもらったり*2。ブランドの紙袋を置いてひとりの女性客が席を離れたことで、三つの食い逃げが成功したり*3
「人を太らせるデブウイルス!?」は人を肥満にさせるらしいウイルスを発見したインドの研究者が奮闘する。ウイルスによってDNAが変化することで、一卵性双生児の一方だけ肥満するケースを説明できるという。ウイルスの感染をめぐってデブ差別が起きる懸念に言及しつつ、人間に感染すればウイルスが停止すると注意した部分も感心した。ただ、ある程度の因果関係はあるようだが、必ずウイルスが肥満させるわけでも、全ての肥満者がウイルスにかかっているわけではないらしい。
ノアの箱舟の真実」は旧約聖書以前の粘土板に書かれた原型的な洪水伝説を研究。今では砂漠の地帯が当時は何度も大洪水に見舞われていたことを発掘で証明。そして粘土板に詳細に書かれていた丸型の方舟が、現地では一人乗りのサイズで伝承されていることや、家屋も同じ手法で作られていることを紹介。粘土板に書かれたスケールの1/5サイズで再現して川に浮かべた。しかし語られた情報の大半が1980年代に描かれた『T・Pぼん』「誰が箱舟を造ったか」と全く同じだ。つまり研究として特に新しい内容ではないはず。そのため漫画作品で描かれた情報を、実写のドキュメンタリーで確認するという順序で楽しむこととなった。
「奇跡の腎臓移植」は難病に苦しむ女性が腎移植を受けた経緯を紹介。全身性エリテマトーデスで大学を休学しているアラナは、親類にも適合する腎臓がなく、長期間を病気とつきあってきた。そしてチアリーダーのローラと知りあい、レズビアンカップルとなった。そして脊髄バンクにも登録していたローラは、自分の腎臓がローラに適合することを検査で知り、プレゼントとしてドナーカードを贈る。ふたりの家族も祝福して、見事に移植が成功したというハッピーエンド。プレゼントの箱にドナーカードを見つけて感極まる映像を見て、「キマシタワー!!!」という声が脳内で鳴りひびいた。

*1:一方のトランクに隠れていた助手が、もう一方のトランクから重りを捨てて、同じ部屋にある預かり品をつめこむという手口。合図は携帯を使う。

*2:住人にはガラクタのバルブをわたし、既存のガスバルブを磨いて新しく見せただけの手口。

*3:紙袋内にはゴミが入っているという手口で、あわてる店員のすきをついて別のひとりも逃げて、刑事として名乗り出て追いかけるふりをして三人目が逃げるという手口。最後のそれは「バカモーン、そいつがルパンだ!」という定型を思い出させる。