法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

現代ではクーデターやテロと呼ばれそうな事件を、戦前ではどのように呼んでいたか、検索してみた

アニメ化された『ジョーカー・ゲーム*1の感想として、id:kanose氏が下記のようなことをツイートしていた。

たしかに気になって、とりあえずインターネットで調べてみると、あっさり複数の資料で用いられていることがわかった。
国立国会図書館デジタルコレクション - 検索結果
1930年代後半に中国での反体制活動を「抗日テロ」と呼ぶ流れがあったことがはうかがえる。
当時の言葉の用法を検索するサイトとして、国立国会図書館デジタルコレクションは便利だ*2


ただ残念ながら、まだ全文検索できないのでとりこぼしやすいし、よく使われる呼称の比率を調べることも難しいという問題はある。

226事件にまつわるキーワード「二・二六」「昭和維新」「不祥事件」等に「クーデター」を組みあわせても、それらしい資料は見つからない。アラビア数字の「226」では事件に関係のない数列でも引っかかるのも痛い。
そこで同年の資料から「クーデター」だけで検索すると、中国における張学良の「西安クーデター」がほとんどを占めている。
国立国会図書館デジタルコレクション - 検索結果
これは当時からクーデターという言葉が使われつつ、それが226事件には適用されなかったことをうかがわせる。しかし絶対に適用されなかったとまではいえない。

*1:私自身の感想としては、2016年冬春TVアニメ各作品について簡単な感想 - 法華狼の日記で簡単に書いた。ちょうどGYAO!で無料配信中。https://gyao.yahoo.co.jp/p/00998/v00668/

*2:アジア歴史資料センターもあるが、詳細検索がまともにできないので、簡単な思いつきで調べることには向いていない。