法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』ネコののび太いりませんか/賞品かせぎカウボット

2006年にアニメ化された短編の再アニメ化と、今年のリニューアル後で初のアニメオリジナル。


「ネコののび太いりませんか」は、黒猫を飼うことをママに認めさせるため、のび太がその猫に変身して賢いフリをしようとする。しかし入れかわり計画は早々に失敗し……
のび太猫を見本にして飼い主をさがすプロットと、残された黒猫とママが交流していくプロットが同時進行。そんな原作の筋を、ほぼ忠実に映像化していた。
大きなアニメアレンジはふたつ。まず、のび太猫を飼うことが断られる描写から、食べたいという意味で猫を好きという人物をなくしたこと。かわりに、ドラえもんが飼われかけるギャグが追加されている。次に、もとの飼い主が猫を返してもらう動機として、孫に叱られたという理由をつけず、自身が反省したかたちにしたところ。これは、もとの飼い主の問題を緩和して、返しても問題なさそうと安心させるためだろうか。


「賞品かせぎカウボット」は、何らかの賞品とひきかえに尋ね人を捕縛してくるロボットが登場。しかし賞品が消えて契約違反になってしまい、ロボットが怒って……
最初は教室掃除から逃げたスネ夫を捕まえたり、手伝いから逃げたジャイアンを捕まえたりを、いかにも西部劇パロディな描写で楽しませる。それぞれの逃げた原因が欧米では疑問視されそうな気もするが、あまり輸出は考えていないのかもしれない。
次に、のび太が買い物を代わってもらうためドラえもんを捕まえさせるが、賞品にしようとしたケーキが食べられてしまう。最初に教室で掃除していた場面でしずちゃんのケーキが言及され、冷蔵庫のケーキを賞品にする時もしずちゃんのケーキがあるから不要という判断が語られ、さらに客が来るから買い物に行かされるという伏線もあって、展開の連続性が高く、流れに違和感がない。
そして身ぐるみはがそうとするロボットから、のび太が逃げだす。さらにしずちゃんのケーキを新たな賞品として、特技をいかして決闘が始まる……追跡劇はロングショットの芝居が良好で、決闘の殺陣も複雑に組み立てられている。
オチまでふくめて西部劇パロディとして成立していて、リニューアル後の初オリジナルとしては悪くない。ただ、「ころばし屋」がらみの過去回を思うと、もっとアクション作画で弾けられる余地もあったと感じたのが残念だった。
『ドラえもん』最強!ころばし屋Z - 法華狼の日記