法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』世界はまさかのことばかり! 大どんでん返しSP

加藤一二三古坂大魔王をゲストに迎えた2時間SP。


「家族の衝撃の秘密」は、幼いころにギターを教えてくれた大人が、ふいに姿を消したという青年の逸話。その大人は母親と不倫していた実の父親という。現実の本人としては衝撃だろうが、フィクションではよくある話と思ってしまった……
もうひとつ、父親の印象が弟と異なるという青年の逸話。優しかった父と恐ろしかった父、どちらが正しいのかと悩み、そのためか体調を崩した青年は、カウンセリングによって父親が殺人事件を告白した記憶を思い出す。あまりの衝撃で記憶を封印し、優しい父という偽りの記憶をもったという真相だった。別の事件で服役していた父親との面会で事件を自白させ、真犯人でなければ知りえない情報から殺人事件で終身刑になり、青年の体調は回復したという結末だった。
タブロイド事件簿 交通事故で水浸し」は、交通事故を起こした自動車内で見つかった青年が、水に濡れていた謎を追う。事故で重体になったのと同時期、青年の実家が火事で焼失したという事件も発生。真相は、青年は殺されかけて近くの湖に沈められたが、重しとなった鹿の角が外れて、自動車を運転して逃げようとしたが事故を起こしたというもの。火事は事件の痕跡が残らないよう隠すためだった。ちょっと情報を提示する順序を変えれば、そのままミステリに使えそうな複雑な内容だ。しかし番組が「どんでん返し」として提示したのは、犯人グループに青年の姉がいて、事件後に青年が許したという部分。
イリノイ州警官殺害事件」は、元軍人で若者たちへの指導をおこない、街から愛されていた警官が、3人組を追いかけるという通信の後に死体で見つかった事件。現場は、よりによって若者たちに模擬殺人事件の捜査を訓練していた場所だった。やがて証言通りの3人組は見つかったが、強固なアリバイがあった。これはかなり本格ミステリ的な真相だったが、サブタイトルが厳密にはアンフェア。警官は指導のための資金を横領しており、直前に見かけた3人組をスケープゴートにして、自殺したという事件だった。フィクションならば古典的だが、登場する要素に無駄がなく、刑事ドラマくらいなら現代でも成立しそう。
「キャットフィッシュ」は、インターネット越しの恋人の意外な正体をつきつけるというレギュラーコーナー。今回は同性愛者の従兄弟が騙されているようだという依頼。依頼者の女性は包容力の高そうな豊満さで、従兄弟に優しく親身になってやる。そして今どき珍しい伝言ダイヤル方式で知りあった相手の個人情報をしぼりこんでいくが、どうやら事件を起こして服役しているらしいという展開。それで電話越しにしか連絡せず、途中で非通知に変わったのかと思いきや、正体は依頼者の女性だったという真相。かつて肥満体を笑われた復讐のため、TVでさらしものにしようとしたのだという。番組そのものが「なりすまし」を生みだしたという、ドキュメンタリーの枠組みがもつ効果について考えさせられる内容だった。