法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』自信ヘルメット/ガッコー仮面は誰でしょう?

今回は前後とも原作あり。川重希作画監督なのに、今回はあまり作画のブレを感じない。


「自信ヘルメット」は、0点連続記録を更新したのび太をはげますため、自信をつけさせる秘密道具が出てくる。ヘルメット型の秘密道具をかぶったのび太は、周囲に笑われても憧れられていると解釈するように……
原作者没後にカラー作品集へ収録された短編をアニメ化。秘密道具だけならドラミちゃんが使用する短編が生前から単行本に収録されており、そちらは有益な範囲で自信をつけさせる活用例となっている。
今回のストーリーは、素直にギャグとして楽しめばいい内容であり、むしろ風刺性などを読みこむと笑えなくなる。主観が客観とかけはなれるまではいいが、それによって無自覚に自他を傷つける展開は苦手だ。
のび太が自信をつけすぎて、批判の言葉すら正反対の肯定に聞こえてしまうわけだが、ついリアルな躁状態に感じてしまい怖かった。しずちゃんの家に居座ろうとする言動も、ストーカーのようである。
もちろん過剰な自信に警鐘を鳴らす教訓を読みとれる作品だが、秘密道具の効果は精神性が変化するだけなので、未来の技術がなくても現実化しうる。それも怖さの一因。


「ガッコー仮面は誰でしょう?」は、両親が家庭教師を雇うのをやめるよう、のび太が金銭面から説得する。それが成功しかけた時、無料で家庭教師を引きうける覆面姿の男があらわれて……
内容としては、ほぼ原作通りのアニメ化。アクションシーンを増やし、さまざまなトラブルで笑わせつつ、ガッコー仮面のスペックが低いという伏線を強調しているくらい。ただ、ガッコ―仮面がなかなかの美声で、他のアニメで青年キャラクターを演じているところを見たくなった。他のレギュラーキャラクターはさまざまな他のアニメにも出ているのに、のび太だけ『ドラえもん』に注力していることがもったいない。
それにしても懐かしヒーローを特集するTV番組も滅多に見なくなった昨今、はたして『月光仮面』のパロディが幼い視聴者に伝わるかどうか。それとも児童向け書籍には豆知識的に今も収録されているのだろうか。


あと、ジャンケンがのび太に変わったのは前回だけで、またドラえもんに戻った謎。以前のゲームと違って、他のキャラクターが同時に出られないのが痛いな。