法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』戦慄の瞬間SP

ひさしぶりの放送は2時間SP。ほとんどが恒例のコーナーで、今回だけのドキュメンタリーも戦慄の瞬間と感じさせないものしかなかった。
「ほぼ裸で北極フルマラソンに挑む男性 「ヴィム・ホフ」」は、極寒の世界で耐えることに喜びをおぼえる「アイスマン」の挑戦を紹介する。たしかに常人離れした肉体は凄いが、その偉業をたたえる観客が存在しない侘しさとのギャップがせつない。
「四輪バギーの下敷きになった男性」は、歩行困難な肉体を訓練で克服した男が、ロッキー山脈で生態系調査中に事故にあった顛末を描く。一人乗りの小型バギーとはいえ、もともと歩行困難な足を骨折してしまい、身動きがとれない。1km先に人家があるが、叫んでも気づかれる様子はない。近くに落ちていた斧をテコにしてバギーから抜けようとするが、柄が折れてしまう。荷物として載せた食糧や水に手がとどかず、むしろ重量で苦しまされるばかり。くくりつけた紐を斧で切ろうとするが失敗してしまう。ヘリも気づかず遠ざかってしまう。それでもハイエナを音で追いはらい、テープをのばして付着した霜で水分を補給して4日間を生きのびた……という極めてミニマムな大冒険。雄大な自然の中を一歩も動かずに遭難するという、極限状況サスペンス映画の原案にもなりそうな出来事として興味深かった。