法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『キラキラ☆プリキュアアラモード』第3話 叫べライオン!キュアジェラート!

いちかとひまりは、あおいがボーカルをつとめるロックバンドを見て大興奮。
一方、あおいは憧れの人物が審査員をつとめるコンテストのため新曲をつくろうとする。
図書室に入ったいちかは、歌詞を作るため資料集めをしていたあおいと「運命」の再会をするが……


作画監督の高橋晃をはじめとしたスタジオダブの速さと巧さを、さまざまな種類のアニメーションが求められるエピソードに配置。新プリキュアが登場して、ライブシーンまで描かれるという、どうしても映像リソースが食われる内容を無難にこなしていた。
リソース不足が目立たないよう演奏や歌唱シーンは短く、きちんと歌にあわせて最低限に動かす。対する群衆は東映のキッズ向けTVアニメとしては信じられないほど止め絵が目立たない。音楽にあわせて動く人間と止まったまま聞きほれる人間を画面にばらけさせ、リソースを節約しつつ群衆個々のバラエティを出した小技がにくい。


プリキュアの立神あおいは、年長者に混じってバンド活動をしている中学生という、大人と子供の中間にいる立ち位置が魅力的。
よくある情熱や体力が先走る性格かと思いきや、いちかにぐいぐい押されながらも、高い精神年齢で受け止めてやる。キュアジェラートというネーミングが示すように、カロリーは高いのに雰囲気はクール。
感性だよりどころか、歌詞*1をつくる基礎となる言葉はきちんと資料を集める。回想シーンの服装からも、音楽活動ができるだけの社会的な立場をわかりやすく暗示。きちんとした基礎があることを描写しているから、現場のアドリブで歌いはじめる結末も比較的に納得感がある。
少し背伸びしている少女というところで、『おジャ魔女どれみ』の妹尾あいこを思い出したりも。思えば赤、黄、青、紫の順番で参加するところまでは同じだし、プリキュア活動に本拠地がある設定もそうか。


先に敵がアイスクリームを奪ったため、代わりのアイスクリームを手作りすることとなり、それで完成した見事なアイスクリームを敵が奪いにくるという流れも自然で違和感ない。
ひまりも知識面からいちかを補佐する相棒として、意外としっかり存在意義を出している。今回も全体にそつなく、粗なくまとめていた。

*1:ひょっとして作品モチーフの「菓子」とかけているのだろうか。