法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

青林堂のパワハラ問題において、公式ツイッターや関係者ツイッターが組合を敵視している件

青林堂が社員*1と組合に訴えられている件で、取材に対しては通り一遍の回答がファックスで帰ってきただけだという。
社員をスパイ呼ばわり 青林堂の社員がパワハラ訴え暴言音声を公開【追記あり】

訴状を受け取っておりませんので、コメントは差し控えます。

念のため、出版社の体質は必ずしも出版している書籍の内容に左右されない。その多くが零細企業であり、経営においては旧弊な価値観を残していることがままある。


しかし青林堂ツイッターでは全面的に味方するような意見をリツイートしつづけ、公式そのものも書籍宣伝をかねたツイートで対立姿勢を鮮明にしている。


在特会の元会長で、近年*2青林堂から著作を出している桜井誠氏は、青林堂がクビにしたことを当然視している。

それにしても仕事をしている最中ならともかく、休職中にデモや街宣をしているだけで会社がクビにしていいという考えが桜井氏から出てきたことには目を疑う*3。「行動する保守」を名乗ってデモや街宣をくりかえしていた自分たちをどう思っているのだろうか。


青林堂でイラスト集『そうだ難民しよう!』を出し、いまでは雑誌の表紙なども手がけているはすみとしこ氏も、青林堂がクビにしたことを当然視している。

それにしても、会社とたたかうために組合にかけこんだことを、クビにしていい理由のひとつに堂々と数えるのは斬新すぎる。共同体から逃げだして外部に助けを求める個人を嫌悪するという意味では、悪い一貫性があるが。

*1:青林工藝舎はお家騒動で飛び出した分家なので、青林堂に残って守ろうとした本家からはわだかまりもあるはず - 法華狼の日記でまとめた時系列とてらしあわせると、経営のっとりを受けて編集部が青林工藝舎をたちあげた後も、残った関係者が『ガロ』の精神を維持しようとしていた最後の時期に数年つとめつつ退職、2014年に社長から求められて再入社したというかたちらしい。

*2:かつて複数の著作を出していた晋遊舎は、ここ数年は極右的な雑誌や書籍を出しておらず、公式サイトでも排外主義色は消し去っている。

*3:なお、休職中に会社への抗議活動をおこなっていたことが裁判で問題視された件は、休職の原因となった精神の疲弊を強める行動であったことが療養専念義務に反していたとされる。休職期間中のプライベート活動 | 今月の実務の動き 青林堂の公式ツイッターで、社員が組合において回復している姿をツイートしつづけることは、この前例から考えると不利になりそうな気がするが。