魔法界とナシマホウ界がまじりあった風景にとまどう主人公たち。しかし周囲の人々は、世界が何も変化していないかのようにふるまい、仲良く生活している。
そんな地球の様子を、“終わりなき混沌”のデウスマストに融合した眷属たちが見おろしていた……
フィリピン作画回だが、終盤に入って他のスタッフが総作画監督的に入ったのか、やや幼さを感じる絵柄以外は気にならない。既存の設定をくみあわせてつくる情景のおかげで、デザインにリソースを食われなかったおかげもあるのかな。
物語については、前半で不穏感をただよわせつつも世界を平穏に見せて、後半からの落差を強調した構成が明確でいい。デウスマストが状況をすべてつくったのではなく、マザーラパーパが残された力で抵抗して、ぎりぎり生まれた世界という真相も、ただ敵が幻を見せる展開より意外で説得力がある。
また、抽象的な存在であるデウスマストが語りだすと底知れなさが消えかねないところ、複数の眷属が意思を代弁する方式で回避したのも感心した。デウスマストのビジュアルも、隠しているわけでもないのに顔がないという、子供向けアニメには珍しいデザイン。ちょっとプリキュアオールスターズ映画の敵のようでもある。
