勢力図の変転にともない、鉄華団の地球支部でも新たなコネクション作りが進んでいた。しかしテイワズから派遣された監査役が、不審な動きを見せる……
あまり出番のなかったサブキャラクターをドラマの主軸にして、舞台も地球に変えたところは、物語に新鮮味を生んでいて良かった。
ただ好みをいえば、監査役の真意を視聴者に明かすのは、今回の終盤まで待ってほしかった。これまで厳しかった監査役が優しくなり、チャド・チャダーンの代役として地球支部を守るよう奮闘する姿を見せれば、火星支部との連絡をごまかしながら敵を手引きしていた展開に驚きが増しただろう。調子よく進んでいるように見せかければ、それが落とし穴とわかった時の落差が強まるはず。
もちろん、どんでん返しで驚かすような作品ではないとは理解している。しかし、これまであまり描写されてこなかった人物がいきなり裏切っても、共感も反発もおぼえにくい。監査役のキャラクターデザインも、いかにも主人公たちの足をひっぱるだけで終わりそうな華のなさ。