法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『相棒season15』第2話 チェイン

杉下と冠城は、それぞれ別々の男女から「工藤春馬」という男を探してほしいという依頼を受ける。シガーバーの常連として煙草をこよなく愛する「工藤」は、独自に調合した煙草で男女を魅了していた。
一方、伊丹たちは傷害致死事件の被疑者が死体となって山中に埋められていたと聞きつける。その死体といっしょに「工藤」の調合した煙草も埋まっていた……


刑事ドラマにおいて喫煙が消えゆく文化として描かれるという、時代の変化を如実に感じさせるストーリー。シガーバーで正体を隠して出会う人々に、アングラな雰囲気がただよう。少し前ならインターネットが小道具として使われるような謎解きだ。
実のところミステリというほどもない見えすいた展開に終始したが、別ルートから偶然に同じ人捜しをしているかに見せて、実は冠城が杉下を操るように引きこんだという構図はおもしろい。ここまで興味本位に名探偵の活躍を作りたがる助手は刑事ドラマとして珍しいし、いくつかの御都合主義にもうまく説明をつけやすい。
あと、レギュラーが次々に脱落していったため、残った伊丹が相対的に有能な刑事としての側面を見せていくところもシリーズの変化として味わいぶかい。以前は三浦がこの役割になるかと思っていたが……