法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』度が過ぎちゃってすみません 無駄に!? デカいな〜SP

今回はとにかく巨大なものを特集。題材としてはつまらなくても映像としてどれもインパクトはあり、見ていて楽しくはあった。


「巨人の操り人形」は別番組でも見かけたヨーロッパの巨大操り人形劇団「Royal de Luxe」の紹介。過去に見た紹介は巨大人形のリアルさと、それが街を移動する異化効果だけだったが、今回はタイタニック沈没をモチーフにした物語の詳細を知ることができた。人形周囲の舞台装置の凄さも印象的。
「巨大ゴーストタウン」は産業発展を見こんで中国政府が計画都市を建設しかけたところ、産業がおとろえて高層建築が建てられた後に廃墟化した街を見せていく。外国のドキュメンタリーであるため、中国側の動きに妨害かと疑ったり、実際は都市の明るい未来を広報されたことに対して追求して困らせたりする。ただ、ショッピングモールの廃墟化などは米国が先行しているし、街の空洞化は日本も全く他人事ではないのに、笑うだけの語り口は気にかかった。元のドキュメンタリーの責任というより、日本側の編集と翻訳の裁量っぽいが。
「法律が通用しない刑務所」はボリビアのサンペドロ巨大刑務所に潜入する。そこは周囲を高い塀で隔絶しただけの、囚人だけで運営する実質的な街だった。内部で生活する金銭を労働でかせぐわけだが、その多彩さは外の街と変わりない。刑務所なのに家賃が徴収されるため家族を呼び寄せる囚人もいる。内部ではコカインが蔓延して、刑務所のボスが塀に届くほど建物の高さを拡張したりと、どう見ても国家が制御できていない。とはいえ、罪人に自主的に運営させつつ隔離するという意味では破綻していないようだ。
「浮遊する巨大な塊」は、米国で山から切り出された巨大な岩塊を、芸術家マイケル・ハイザーが作品化するまでを追う。ランドアートと呼ばれる、自然に加工をほどこしたものを作品として位置づける現代美術の一ジャンル。その一作品として、巨大な岩塊をコンクリート製の溝に乗せたものを芸術とする。巨大トレーラーを作って運ぶだけでも、通過する街は大盛り上がりして、縁起物と見なされて写真を撮ったりプロポーズしたり、一種の巨石信仰が自然に誕生したことが興味深い。作品そのものも、スタジオの反応は理解不能というものだったが、下手に加工するより自然そのものの凄さを実感させるもののようで、たぶん実際にコンクリートの溝を通れば迫力を感じられそう。