法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』まさかまさかの大どんでん返しスペシャル

今回のメインとなるのは、「意外な黒幕 〜パキスタン人殺人事件〜」。
2005年9月のデンマークで、ひとりの男とパキスタン系の女性が撃たれた。容疑者となったのは女性の兄。兄は男を撃つ時に誤って妹も撃ってしまったと自白する。
30年前にパキスタンから移住してきた家族は、タクシー会社で成功。兄妹の仲も良かったという。妹はデンマーク人の男と結婚して二日目だったこともわかった。
しかし一枚の写真が報道され、事件の構図が一変する。それは兄が地面に崩れた妹を撃つ場面だった。つまり「どんでん返し」といっても、真犯人が別にいるというパターンではなかった。
最終的に明らかとなったのは、妹が意にそわぬ結婚をしたための名誉殺人だったということ。妹を殺すように指示したのは父親であったし、妹がたよっていた叔母も父親に内通していた。他の男兄弟も殺害に関与していた。
成功した移民が違う文化をもつ国で名誉殺人を実行し、それゆえ謎が生まれたという展開に、2009年の米国映画を思いだした*1。あるいは映画のモデルになった事件なのかもしれない。


もうひとつ興味深かったのが「ダレン・ブラウンの実験 〜匿名の恐ろしさ〜」。
メンタリストが主導して、観客参加型のドッキリ番組を決行するというもの。観客は仮面をかぶり、どのようなドッキリをターゲットに味あわせるかを投票で決めていく。
ターゲットに対するドッキリで選ばれるのは、どれも不運な目にあうというものばかり。観客が笑うなかで、最終的にターゲットはドッキリから逃げだそうとして、車にひかれてしまう。
実際は、車にひかれたのはスタントマンで、昼の撮影にフィルターをかけて夜に見せかけていた。これは単純に観客の選択を予測するというものではない。半分だけの仮面であっても、顔を隠して匿名の気分になれば、人間は悪意を表出させる傾向があるという問題提起だった。

*1:ネタバレを避けるため、URLのみ示す。http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20140421/1398092377