投稿マヴォに掲載された約60頁にわたる漫画作品。母妹弟とくらしている少女の家で、ソ連の女性将校とその娘が暮らすこととなる。
ブロンデェンカの同居人/マーシャのこと /いまい教
前提として、本業が広告漫画家というだけあって漫画がうまいし、たんねんに細部まで描きこまれている。
読みはじめは同じ題材のアニメ映画『ジョバンニの島』を思いだしたが、少女同士の関係をとおして東側諸国の心情もくみとっていく物語は『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』のようでもある。
どこまでも日本視点の「ブロンデェンカの同居人」の後、ソ連視点の体験を聞く「マーシャのこと」を読むことで、ぐっと立体的な物語になる構成もいい。相手に近づいたからこそ、断絶がよく見えるようになる。
以前にpixivでも本編と続編として分割投稿されていたが、連続して読める投稿マヴォ版は視点の変わる違和感を良い意味で感じることができた。
投稿マヴォ版では新規部分もあるので、pixiv版を既読でも一読をすすめる。