法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』のび太はうるさいナベ奉行/地球下車マシン

アニメオリジナルの前半と、最後に原作から逸脱していく後半と。
映画制作とかぶっていたためか、動画にクレジットされた会社の数が多くて、ひょっとしてXEBECとXEBECzweiの参加は初めてか。後半の絵コンテの五月女誠子という名前も偽名のような気がする。


のび太はうるさいナベ奉行」は、剛田家で闇鍋を開いたところ不味いだけになってしまい、鍋の調理をとりしきるロボットを出すが……
季節ネタに思いつきでオリジナル秘密道具をつくったようなエピソードだが、うまくキャラクターの行動を原作から引いていて、あまり違和感がない。
秘密道具「なべ奉行」の指導がなかなかリアルで、すき焼きの調理方法や闇鍋のフォロー具合など、現実にも参考になりそう。構成もよくできていて、剛田家のメシマズにはじまり、剛田家の料理が秘密道具をうわまわって終わる。


「地球下車マシン」は、のび太が空き地のスキーに参加するため、自動で滑れる秘密道具を出してもらう。それは地球の自転に対して静止するものだったが……
前半は、のび太がスキーで悪ふざけする描写を強化。さすがに周囲も秘密道具をつかっていることに気づきそうだが、原作でもスキーで坂を滑り登っていたからな……
後半は、秘密道具が壊れてからの騒動が長い。うまく野比家に戻ろうとする試行錯誤は原作よりも短く、秘密道具にひきずられていく描写を長くしている。個人的には、試行錯誤を長くして、頭をつかったアクションを展開してほしかったところ。とはいえギャグアニメとして騒動をふくらませたい判断もわかるし、街以外に騒動の舞台を広げただけの映像の魅力はあった。
あと、のび太コエカタマリンで追いつく描写に説明がなかったことには驚いた。原作に出てくる描写ではあるし、なんらかの秘密道具の機能とはわかるだろうが、初見の視聴者には説明が必要な気もする。日本の緯度だと自転速度は音速より少し速いが、そこはブレーキがかかっていると考えればいいか。