法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』第16話 フミタン・アドモス

コロニーでもりあがる労働者のデモと、その暴力性を口実に弾圧しようとする治安部隊の陰謀。
別行動をとるフミタンは、クーデリアをデモの象徴にまつりあげる陰謀に加担していたのだが……


スポットが当たるからといってサブキャラクターをサブタイトルにすること自体がきついし、そのスポットの内容も時期も良いとは思えなかった。つみかさねが足りないキャラクターを舞台の中央で目立たせるため、動きがとれないほど高い下駄をはかせているような……
同じ内容でも1クール目の中盤で描いたなら、クーデリアの設定の整合性を高めつつ序盤しか登場しないなりに印象的なキャラクターになれたかもしれない。しかし2クール目までかけて、あくまで乗客の従者として艦の運行を助けるだけのキャラクターとして完成したのだから、影が薄いまま物語の本筋に影響をあたえて消えたほうが、むしろ印象がきわだったろうと感じる。
女性同士の主従関係を描いたエピソードとしてはそつなく、さほど嫌いでない内容だっただけに、独立性が高すぎることが残念。


あと、デモの描写でもっと参加者の個性を表現してほしかった。
陰謀もあるだろうとはいえ武装して、しかしデモ側から攻撃しないことを厳命していたわけだが、そもそも武装にも反対するキャラクターや、治安部隊が展開した時点で攻撃したがるキャラクターを出せば、もっとデモの多様性が感じられて、群像劇らしくなったんじゃないかな。