コロニーで兄と再会できたビスケット。しかし兄は労働者の反乱をおさえるため、同行していたクーデリアを治安維持組織ギャラルホルンにさしだそうとする。
一方、動乱に巻きこまれようとする鉄華団は、なんとか労働者と距離をとろうとしつつ、手をこまねいていた……
鴨志田一脚本ではじめてMS戦がなし。それでも冒頭でコロニーの人工重力をアピールしたり*1、最後の反乱のはじまりでモビルワーカーを出したり、ガンダムならではの絵をつくろうとしている感じは受けた。
物語の本筋はクーデリアとアトラのとりちがえ。偶然の酷似を利用した『∀ガンダム』とはまた違った、革命劇らしい影武者作戦は楽しかった*2。ビスケットの兄だけでなく、労働者側にもできれば武力による正面衝突をさけたい雰囲気がただよっていて、その出口のなさが描かれているおかげで、無謀な蜂起であっても前回とちがって納得しやすい。
しかし外見も年齢も知られていないのに革命の象徴となっているクーデリアが、どうにも劇中の情報流通技術と整合していなくて、あいかわらず違和感ある。それこそクーデリア自身は知らされないまま象徴にまつりあげられていたような、象徴の空虚さを描写すれば、それはそれで面白かったかもしれないのだが……