法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

デマを発することと広めたことと

王様は裸だ! と叫ぶ勇気 ~伊藤計劃『ハーモニー』の崩壊~
上記エントリの書き手が山本弘氏とうたがわれている件で、ツイッターで否定していた山本弘氏がブログで改めて否定していた*1
山本弘のSF秘密基地BLOG:それは僕が書いたんじゃありません
匿名の文章が悪質ななりすましあつかいされるインターネットというのも大変だと思った。


読んでいて悩んだのは、私のエントリがとりあげられて批判されていること。

なるほど、いかにも僕が書きそうな文章だなと思った(笑)。
 この人などもそう考えているらしい。
『ハーモニー』『虐殺器官』を批判する匿名記事を読んでいて気づいたこと
 なんかいかにも推理っぽいことを書いてるけど、まったく見当はずれの迷推理。僕はこんなブログ書きません。

この後の、批判対象が日本のSF作家でも「故人、それも亡くなって何年にもなる人に対しては躊躇しない」という指摘は私のエントリを指したものだろう。
また、後述する私の意図をふくめて、なお山本弘氏らにとって迷惑なデマを否定せず広めたことに加担したとは考えられる。
これを機会に、謝罪する。


また、単語の選定や口調から似ているとされた文章を、ひんぱんに段落変えしていることから「内容はともかく、文体が違う」と説明している。

 僕の文章を読んでいたら、1行のみの段落というのがほとんどないことに気づくはず。

僕の文章を真似するんなら、段落の長さなんていういちばん目立つ部分を真似しなきゃいかんだろ。つーか、何でわざわざ僕のふりをする必要がある?

これについては、山本弘氏にとっては段落の長さが目立つ部分なのかという素直な驚きがあった。
読者から似ていると感じさせる文章であっても、全体を見る作者からは違うと感じさせるものということか。


なお私としては、似ているというコメントが多数ついた後で、似ている根拠になりうる部分をまとめつつ、それと違う関連性に気づいたことを書いたつもりだった。
「ネタバレを避けるように具体名を出していない短編がひとつある。その特徴が山本弘作品のひとつと符合する」として短編集ページにリンクして、間接的に特定した。『SFマガジン』に掲載されて高評価された作品なのに、誰も指摘しないことが不思議だった。そこが本題のひとつだったから、似ている根拠については「もちろん匿名記事の正体をさぐっても批判の妥当性とは関係ないし、有名な特徴を押さえているということは模倣できなくはないということでもある」と明記した。
ただ、さすがに同じ意見が出なかったわけではなかった。私のエントリと前後して、その短編の具体名を出したツイートがあり、山本弘氏自身も「たぶんそうでしょう」と応じている。

*1:本題とは関係ないが、はてな匿名ダイアリーを一貫して「ブログ」と呼んでいるのが少し気になる。公式にも日記を匿名で書く場所だが、機能としては匿名性と自由度の高い掲示板に近い。ゆえに個々のエントリの書き手はすべて同一というわけではない。