産経新聞がデモの人数を独自試算しようとしていることこそ、過剰な反応ではないのか - 法華狼の日記で書いた件について、国会の質疑で警察庁の審議官が答弁したという。
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2583760.html
「その3万3千人の根拠。どういう方法で3万3千人と判断したのか」(民主・藤田幸久参院議員)
「警察としては全体の参加者の数を発表する立場にはございませんで、あくまでも警察活動に必要な範囲で特定のエリアの一時点における人数の把握に努めておりまして、それぞれの現場に応じた方法で人数の把握をしたということです」(警察庁・斉藤実審議官)
もちろん主催者発表も概算として大きく見積もりたいインセンティブはあるだろうが、比べて警察発表が正しいとはいえないということ。警察発表も概算であるし、参加人数というより収容人数にちかい。
また、この答弁では警察が安全を理由としてデモを抑えこもうとして、むしろ危険を増したことも指摘されていた。
藤田議員は、周辺の地下鉄駅の出口が封鎖されたために、デモの参加者らであふれた駅の構内が危険な状況になったと指摘。警察側は、地下鉄の出入り口の規制を行ったことを認めた上で、「公共の安全と秩序の維持」などの観点から「必要な措置」だったと釈明しました。
デモを封鎖する理由に「秩序の維持」をもちだすのは、なかなか「民主国家」として恥ずかしいものがある。おそらく他の「民主国家」も官憲の認識は大同小異だろうが、それを建前にはしないだろう。
このような性質の警察発表だが、それを根拠に主催者発表を虚偽と決めつける主張がメディアやネットに散見される。
たとえば産経が紹介する週刊新潮の記事。
【花田紀凱の週刊誌ウォッチング〈530〉】「主催者発表12万人! 本当は3万3000人!」 安保法制反対デモ参加人数を“プロ”に算出させた『新潮』(1/2ページ) - 産経ニュース
『週刊新潮』(9月10日号)がこれにかみついて「主催者発表12万人! 本当は3万3000人! 赤旗が張りきる『国会デモ』は張りぼてのデモ」。
たとえば元2ちゃんねる固定ハンドルのひとりにして、作家で経済評論家の渡邉哲也氏*1。
ちなみに渡邉氏は、2010年の尖閣デモにおいて警察発表と称して情報源のわからない数字を流し、それが戦後最大という認識ともども追及されたことがある。
【ソースが不明】「5800人」で「戦後最大」のデモ? しかも主催者は「3200人」と【要出典】 - Togetter
渡邉氏が活動をつづけられているところを見ても、嘘をついても信用がなくなるわけでないらしい。