法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

ドラえもんで雨ごいしてもいいじゃない

タイ紙バンコク・ポストの報道として、新華社がつたえていた。
http://www.xinhuaxia.jp/social/73481

プレー(Phrae)県では伝統的な雨乞いの儀式「hae nang maew」が行われた。伝統的な雨乞いの儀式ではかごに入れた猫を神輿のように担ぎながら歌って踊って練り歩き、雨が降ることを祈りながら猫に水をかけ続ける。動物虐待にあたり、違法だということで今年は猫型のロボットである「ドラえもん」の人形を猫に見立てて儀式が行われた。

ドラえもん」を担いで5カ所の地域を歩き回ったが、「ドラえもん」が伝統的な雨乞いの儀式に合わないためか、雨は降ってこなかった。

いかにも東南アジアで人気者らしい出来事だ。猫と思ってもらえただけでもドラえもん本人は喜ぶだろう。


伝統の変容といえばそうだが、そもそも伝統とは案外そういうものだ。
たとえば古墳に埋められた埴輪も、生贄のかわりだったという説がある*1。実物大の模型飛行機を崇拝するカーゴ信仰などもある*2


儀式の写真を見ると、なかなか可愛い絵面。

子供たちが混じって群衆が笑顔で行進している写真もあり、祭礼として単純に楽しいもののようだ。


バンコク・ポストを「Doraemon」で検索していくと、下記の記事がリンクされていた。
แพร่แล้งหนัก แห่โดราเอมอน แทนนางแมว ขอฝน เลี่ยงถูกด่าทรมานสัตว์
写真が違うので取材者も違うのだろうか。オレンジ色の僧衣をまとった僧侶らしき姿もある。
そしてタイ語機械翻訳したところ、新華社ニュースとはニュアンスが異なるようだ。

「それが無効である場合でも、これを行うにしてください。求められて村人によるとそれは私を幸せにします幸福は庶民に起こります。しかし、空気が雲に覆われた空に発見されました。村の周囲のパレード周囲の領域。 "

末尾には、「水の消費量は現在の懸念はないと述べました」という知事らしき発言とともに、農業用水がどれくらい危機的かの解説もされているようだが、よくわからない。
また、「パレード猫の女性しかし、地元の人々は恐れます一般の人々によって主張されます」と書かれているのが引っかかる。


さらにいろいろ検索してみると、タイ情報ポータルサイトタイランドハイパーリンクス」で新華社とは異なる日本語記事が書かれていた。
干ばつのタイで「ドラえもん」の雨乞いの儀式、動物虐待で本物のネコは使えず | タイランドハイパーリンクス

ただ、この儀式は本来はメスのネコで行われるものだそうで、「(ドラえもんの妹の)ドラミちゃんじゃないと・・・」という声も上がっています。
なお、この儀式を伝えたテレビ局チャンネル3のニュースによると、儀式を終えた後には黒い雲が空を覆い出したのだとか。

やはり本来は雌猫に水をかける儀式だったようだ。たしかにドラミちゃんならふさわしい……のだろうか?

*1:なお、日本書紀垂仁天皇がはじめたと明記されているが、これは年代が違うので「伝説」とのあつかい。::[第一展示室] 埴輪ってなぁに?::

*2:カーゴ・カルトとは - コトバンク