法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

映画の俳優は演技しているのだと、感動している女性にわざわざ指摘していた理系男子

行橋市の小坪しんや市議を知っているだろうか。かつて「FreeJapan」というSNSをたちあげ、今でも「保守速報」にまとめられることを喜ぶような政治家だ。
【感謝】保守速報に掲載されました! | 小坪しんやのHP~行橋市議会議員

実は、かつて私も保守系SNSを管理しており、保守速報は設立当初より見ておりました。
どんどん大きくなっていく様も、まとめの難しさも、そして危機も。
そこに自分がまとめられることに驚くと共に、なんでしょう、嬉しく思ってしまいました。


そんな小坪市議が、沖縄米軍基地にまつわるエントリで陰謀論を展開していた。
【沖縄問題】これは何だと思いますか?これがもしも【アレ】なら、初めての物的証拠かも知れません。 | 小坪しんやのHP~行橋市議会議員*1
基地反対運動をおこなっている活動家の近くから、茶封筒の切れ端が見つかったという。

「大城様 3/22~28日まで」という文字の下に、赤い文字で「休み 22日 26日」と書かれており、ホチキスで封をされた跡がございました。
これを見る限り、勤怠を書いたものだと思いますし、ご丁寧にもホチキスでとめているとは中身は一体・・・

発見したのは「フェンスクリーンプロジェクト」という、基地周辺を清掃している市民団体。幸福の科学とのつながりが疑われている*2
発見した団体からして信用はできないが、小坪市議は茶封筒から推理を展開していく。

理系らしく読み解いていきましょう。

紙幣を抜き取った給与袋を、通行人や自動車で通りがかった方が捨ててしまった、という線もある。
しかし地元住民がゴミを捨てるでしょうか、そんなことはしないと思います。


他の可能性としては・・・
サヨクの反対活動に日当が出ており、現金だけ抜いて沖縄サヨクが捨てて行った、という可能性。

小坪市議が出した「可能性」はこのふたつだけ。しかも最初の可能性は主観的に排除しているので、実質的にひとつしかない。
しかし給与袋という仮定が正しいとしても、地元住民がゴミを捨てないという根拠はどこにもない。しわだらけの切れ端なので、雨風で遠くから移動したとも考えられる。
たとえ活動家が捨てたゴミだとしても、基地反対運動への給料という根拠はやはりない。現場で茶封筒にいれて給料をわたしているなら、他に多くの証拠があがるはずだ。
このような思いつきで、わざわざ「理系」と称する神経がすごい。


コメント欄は小坪市議に追従するような意見ばかりだが、さすがにツイッターなどでは批判されている。
そこで批判してきた劇作家に対して、小坪市議は仮定に仮定をかさねるエントリでこたえた。
【政治家の目線】サヨクが日当を払っていた場合、それは民主主義の破壊 | 小坪しんやのHP~行橋市議会議員

彼らが日当を得て動く者であった場合、
かつ、「ある構図」が実態として事実であるならば
それは民主主義の破壊に他ならない。

そして劇作家につたわるようにと、映画をつかったたとえ話をはじめた。

<映画とドキュメンタリーの違い>
私が論じている問題点、私が伝えたい危機感、いまいち伝わっていないように思う。
この危機感は、「(自称)市民」らを、俳優と例えるとわかるかもしれない。


俳優らが脚本通りに行動し、発言をする。
予定調和だ。
これが映画である。

小坪市議は「ドキュメンタリー映画」の存在を知らないのだろうか。まさか映画はすべて劇映画であり実写映画だとでも思っているのだろうか。
逆に、ドキュメンタリーでも脚本がある場合を知らないのだろうか。情景をそのまま映してもドキュメンタリーは成立しない。あくまで監督が特定の角度で現実を切りとり、その素材をつなぎあわせて作品化したものだ。現実を再現することもあれば、想像や仮定でつなぎあわせることもある。

冒頭に述べた「ある構図」とは、メディアの資金源も同一であったならば、である。
つまりカメラマンと映画館も同じところから給料・利益を受けているとするならば、である。

それが事実だとしても、まず疑うべきは一般的な「やらせ」と同じ構図だろう。
おそらくメディアと市民運動に同じ黒幕がいると主張したいのだろうが、その根拠は何ひとつない。


さらに小坪市議はユニークな映画観を披露していく。

映画館において見ている分には「これは映画だ」とわかる。
私が信じていたのは、小学校低学年まで、である。
毎年、年をとらぬのび太ドラえもんの冒険譚に心を躍らせた。

アニメがフィクションと小学生で気づくのは、ちょっと遅いんじゃないかな……

実際にはモンスターはいないし、宇宙の遥か彼方でレーザービームを撃ち合っているわけでもない。
とっても格好のいい英雄がいて、絶世の美女なんかが運命に引き裂かれたり、またであってみたり、色々とあっているようだが、それは事実ではない。
それぞれに嫁さんがおり、もしくは旦那がいるわけだ。
感動的な音楽の元、チュッチュッしてて愛をささやき合っているが、「それは仕事だから」である。
当然、事実ではない。

長さのわりに中学生のようなフィクション観だが、ここまでなら個人の自由ではある。
問題は、この後だ。

※特記
が、女は稀に泣いていたりするので。
その横で淡々と上記を述べるとキレるため、注意が必要だ。
夢がない等との意見を述べやがるのだが、理系にはそのような夢はない。
(いまは分析結果と反復学習の結果、「黙る」という技を習得した。)

感動している他人へ水をさすのも最悪だし、その差し水のレベルの低さにも驚かされる。俳優が演技をしていると劇映画に指摘しても、情報としての意味はまったくない。
どう読んでも、わざわざ「特記」するべき内容ではない。「事実」を無視しているのは、理系文系や性別といった違いを重視しすぎている小坪市議自身だ。


そして『スターウォーズ』をみていた観客が劇中の悪役にされてしまうという、わかりにくい比喩をはじめた。

モニターの向こうでジェダイの騎士が必死に戦っていたとしよう。
姫も攫われてみたり、あと、なんか星が爆発したり、色々と大変である。
次のシーンで、「貴方」がダースベーダ―として登場したとしよう。
「え?」となるのではないか?


そして、「え?え?え?」とか言っているうちに
隣の人から「この悪者めぇー!」とか殴られるのである。
すでに意味がわからない。


殴られ吹っ飛ぶ中、貴方は考えるだろう。
星、、、爆発したっけ、あと俺はジェダイといつ戦ったっけ、、、
ついでに姫も攫ってないんだが・・・と。


この吹っ飛ぶ役が政治家である。
これは政治家殺しに他ならない。

よくわからないが、どうやら政治家が悪役にされるつらさを語りたかったらしい。

私のような、ちょっとイッてるヤツでもない限りは
映画に登場させられないよう、いい子にするしかない。


じゃないと、映画であることを伏せた映画に登場させられて、
ボコボコにされてしまうからね、映画監督ではなく、護るべき市民から。
それはとても辛いことなんだ。

そんな小坪市議だが、首相官邸ドローン落下犯が共産党員もしくは共産党支持者だと主張し、批判をあびたことがある。
小坪慎也・行橋市議が「官邸ドローン事件は共産党が関与している」とデマを垂れ流す - Togetter

どうでもいいが、被害者のふりをして政敵を攻撃するのは、ダースベイダーというよりパルパティーンだろう。

*1:引用時、フォント変更は排した。

*2:ず's - 幸福実現党発の文書