五十嵐卓哉コンテ。仲直りして水着でたわむれるシーンを冒頭で見せ、どのように関係が修復していったかを本編で見せる。
原作ゲームでのレトリーはシアンが好きすぎて、ちょっと引くくらいの行動をとっているらしい。TVアニメ版も初期はシアンのかわいらしい言動をどんどん撮影してしまう。
しかし第5話でシアンが異世界の住人と明かされて以降、レトリーはシアンへ激情をぶつけ、たがいが自分と相手の気持ちに向きあっていく。レズビアンとニンフォマニアを混同するような人物造形にせず、あくまでコミュニケーションの下手な少女として描いたことで、すっと胸に落ちた。
シンガンクリムゾンズのボンクラなギャグをはさんだり、モアの告白が仲間には優しい嘘と思われたり、レトリーとシアン以外もいい。周囲のキャラクターを立てながら、シリアス一辺倒な息苦しさを抜いていく。
人物を正面からとらえるカメラ位置と、視線をあわせない位置関係とで、五十嵐卓哉演出による『ふたりはプリキュア』第8話という傑作回を思い出す。
風呂場や水着といった肌を見せる場面も、どこまで露出するかを見きわめているから、規制で画面が邪魔されないし下品にもならない。