法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『Go!プリンセスプリキュア』第15話 大変身ロマ!アロマの執事試験!

プリキュアにつかえてきた妖精が人間姿に変身。それぞれ見習いから正式な立場になろうと奮闘するが、空回りするばかり……


脚本は香村純子。すでにシリーズでパターン化した妖精人間化エピソードだが、ていねいに細部を構築していて、見ていて引っかかるところがない。
まず、パフとアロマのどちらも妖精姿と比べて言動に違和感ない。いつものようにパフは可愛らしさをふりまくだけだが、これまで他人に厳しかったアロマも見習いという真実は面白い。思い返せば春野がプリキュアになった経緯など、かなり不規則ではあった。
ひとりで立てた計画を優先して、春野の気持ちを無視し、臨機応変な対応もできないアロマ。『ドラえもん』の「スケジュールどけい」を思い出させる*1


そして失敗が致命的な問題になりかけたアロマは、優秀な執事に助けられる。
先輩の姿を見てアロマが反省するという古典的なパターンだが、ちゃんとオイカワ執事*2が登場する伏線はある。もともとノーブル学園のような特殊な学校が存在する地域だし、前半でアロマが春野をつれまわしたように高級なレストランや洒落たカフェもある。何より、レストランやカフェでアロマが空回りする背後で、ちゃんとオイカワと主人が食事や休息をしている。
イカワが怪物化する展開も、怪物化した後の強さも、優秀な執事らしさを裏打ちする。長所短所のある複雑さではなく、立場にもとづく言動を徹底することで、シンプルにキャラクターを立ててみせた。


まだ戦闘に役立てなくても、できることを全力でおこなうアロマの結論もいい。出番が少ないなりに洒落た台詞で印象づけるトワイライトもいい。
古典的な筋だが、引っかかるところをなくし、ていねいに全体をしあげれば、充分に面白いエピソードになるのだ。


作画監督は赤田信人。主人公たちとは頭身の異なるパフやアロマを同じ画面に入れながら、高い水準で安定していた。
しかし日常よりもアクション作画の良さが目を引いた。第1話を思わせる華々しい動きで、執事ゼツボーグの強さを映像で支える*3

*1:‚Ä‚ñƒRƒ~‚RŠªでレビューされている。

*2:ちなみに『ドキドキ!プリキュア』でセバスチャン執事を演じた声優は、及川いぞう氏。

*3:おそらく藤井慎吾だと思われるが、作画@WIKIでは今のところ憶測あつかい。藤井慎吾 - 作画@wiki - アットウィキ