法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『名探偵コナン 異次元の狙撃手』

映画シリーズ18作目。東京の架空タワーを中心に、米海兵隊の因縁がからむ連続狙撃事件が起こる。
最近のシリーズを手がけつづけている静野孔文監督は、『シドニアの騎士』監督の印象が強くなったかな。


金曜ロードSHOW!で視聴した。かなりカットされていたのか、それともシリーズが定着したという判断からか、キャラクター紹介にあたる描写がほとんどない。最近は映画版が放映された時に視聴するだけの私としては、世良真純という女子校生探偵が説明もなく主人公と面識ある展開に、いささか面食らった。
物語はアクション全開で、説明がないなりに興味がひかれるものはあったが。冒頭のカーチェイスから物理を無視した動きが多く、クライマックスの犯人との対決も推理は重視されず、少年探偵団アイテムや純粋な戦闘がポイントとなる。良くも悪くも映像としての楽しさに偏った作品だった。
謎解きといえば、犯人と疑われていた元海兵隊員が狙撃された経緯と、連続狙撃事件の法則性のみ。前者は心理的な推理で片づけるだけで、後者は犯人の自己満足的なものというだけ。犯人の特定も、初期に名前があがった関係者のひとりで、たいした驚きはない。
偶然にも『アメリカン・スナイパー』を連想させる題材は興味深かったが、そこまで社会派というわけでもないし、日本で事件が起こるのは狙撃対象が日本にいるというだけの理由。


しかし、見ている間はけっこう楽しかった。無理にミステリらしくせず、アクションアニメに徹したのが良かった。
刑事が関係者の写真をホワイトボードにはって議論するような場面は、むしろ必要なかった。そうした刑事ドラマでよくある説明的な描写を削れば、もっとテンポが良くなったろう。