法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『Go!プリンセスプリキュア』第11話 大大大ピンチ!?プリキュアVSクローズ!

前回、魔女ディスピアによって謎の荒野に飛ばされたプリキュア。そこで怪物化した敵幹部クローズとの決戦が展開される。


重要回だけあってか、脚本は田中仁シリーズ構成。11話目にして7度目の登板は、このシリーズでは過去にない。
ずっと異世界の何もない荒野を舞台として、ずっと戦いつづけているため、物語に大きな動きはない。そこで戦いに巻きこまれた七瀬が、春野を支える友人として、プリキュアを知る一般人として、より近づいていくドラマを担当する。七瀬しかアイテムを渡せない必然性はもっとほしかったが、許容できる範囲。
そして1クールを待たずして敵幹部が退場。『Splash☆Star』のように後から再登場する可能性もあるものの、敵幹部が前半に退場するのは『5GoGo』以来。きちんと1話をかけた激しい戦いで退場させたことは、良い判断だったと思う。
ここ最近は終盤まで敵幹部が残ることが多く、その結末も浄化されて救われるばかり。後者はともかく、これまで前者は感心できないことが多かった。プリキュア強化によって相対的に弱体化し、敵幹部らしい強さを発揮できないまま終わりがち。さらにドラマも残っていないのにプリキュアと戦うため、物語をしめくくるドラマを圧迫しがち。ちゃんと強くドラマ性を持った敵幹部が残った作品でも、複数いる幹部の残りは物語で機能しない。


コンテは座古明史で、作画監督稲上晃と上野ケンの連名。
激しくつづくアクションで手を抜かず動かしていたことは順当に良かった。ここまで高水準を維持しているのは『ハートキャッチ』くらい*1。しかし表現としては絵柄の変化が目を引いた。クローズの鬼気迫る形相、それを表現するため斜線で表現された陰影。
惜しいと思ったのは新しい二段階変身くらい。もともと今シリーズの3DCGは、進化をつづけてきたシリーズにおいて後退しているように感じられるが、今回は変身デザインそのものの変化がわかりにくくて、見ていて面白味がなかった。色の系統は変えられないにしても、配置を変えるくらいはできたのではないかと思うのだが。

*1:『スマイル』は初回とキュアマーチの初戦を除いて、1クール目のアクションは抑え目だった。