法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『Go!プリンセスプリキュア』第7話 テニスで再会!いじわるな男の子?!

松浦仁美作画監督は、たしか東映には初参加*1。悪くない仕事で、全体として整っていた。中村亮太の演出としては、前半で主人公と少年の距離感を強調した教室の広さが印象的。
脚本の香村純子はプリキュアシリーズに初参加。スーパー戦隊で一時期によく見た名前だが、かなり理知的な展開で良かった。


最初は嫌っていたゲストの努力を評価できるようになる、それ自体はよくあるエピソードだが、主人公ひとりで気づくきっかけがうまい。
モデルとして活躍している天ノ川の球技選択から、天ノ川のモデル業にかける本気を知り、ゲスト少年がテニスにかける本気と似ていることを理解する。単独エピソードとしては、再会した少女と少年がたがいを理解して認めあうドラマとなる。連続エピソードとしては、仲間になったばかりの友人を知っていくドラマとなる。
プリキュア関係の能力で教育用の空間をつくったのは、あくまで主人公がテニス練習に奮闘するためのもの。てっきり主人公が周囲から教えられる展開になると思っていたので、良い意味で予想外だった。


性差がはっきりして壁ができるようになる年代の少年少女が、恋愛で結びつくのではなく、独立した人格として相手を認める展開そのものも良かった。男女混合で試合する劇中の目的が、ちゃんと機能しているので説得力ある。
おまけに少年の夢が怪物化してからも、主人公ひとりで向きあって結論をしっかり出す。プリキュア仲間の参戦が遅れた理由も自然で笑えるもの。
ただ、テニスの練習シーンに力をさいていたため、アクションシーン自体は悪くないものの短めだった。テニスらしいのも、ボール化した敵をネットでしばりつける描写くらいか。