あいかわらずアニメーションとしては圧倒的な映像で、生物的な移動基地がワープを停止させられたため流血する場面など描写として新鮮。敵味方のアクションや魔法の活用もバラエティがあり、映像が整っているだけでは終わらない。
しかし壮大なシチュエーションを1話分につめこんだことで、逆に余白がなくなり、スケールが小さく感じられてしまった。表舞台に出てきた敵味方が強力すぎて、これまでに比べて戦闘の帰趨も気まぐれだったり大味だったり。
主人公のドラマとして見ても、協力をえて飛行したり、気まぐれに救われたり、第三勢力に助けてもらったりして、30分番組で次々に障害を乗りこえてしまった。それが逆に世界をせまく感じさせる。ファバロとカイザルは身体能力こそすぐれていても、あくまで人間の段階にとどまっていて、移動も徒歩や乗馬という制限があったから良かったのだ。
アーミラとリタそれぞれキャラクターが立っているのだし、パートナーをシャッフルするのは次回まで続けて、その引き裂かれた関係を乗りこえるだけで1話使っても面白かったろう。少し残念に思う。
