ふと思い出したが、かつて渡辺信一郎監督は『カウボーイビバップ』でナイフを持った場面や死体がことごとく放送局側から規制され、地上波では半分の話数しか放映できなかったことがある。それが死を描くことの忌避につながっているのかもしれない。
さて今回は、リサを使ったテロリスト側の取引きと対決、刑事が真相を知っていくことで、かなり展開を早くしている。これならば結末まで持ってくることはできるだろう。奪ったのがプルトニウムでなくアレだったというのは、良くも悪くも主人公をアンチヒーローと位置づけうる。
しかし政治家から会話劇だけで全貌を知るのは、展開さくさくすぎだ。テロリスト側の因縁と刑事側の因縁が交錯する最後は良かったが……