法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『スペース☆ダンディ』第14話 オンリーワンになれないじゃんよ

これは素晴らしい作画ギャグアニメ。
かんちがいしてほしくないのだが、素晴らしい作画のギャグアニメといっているのではなく、作画ギャグの素晴らしいアニメということ。
完璧なタイミングでくりだされるarasan作画は、ただそれだけで笑いがとれる。


シーズン2とはいいながら、OPEDともに全く変更のない、完全に連続したつくり。OP前の口上だけはなかったが、それは本編を見ると別の事情と思われる。
そして今回だが、さまざまな並行世界での異なる自分に出会っていく。藤子F短編のひとつを思い出す内容だ。そこを作画ギャグらしく、並行世界を異なる作風のアニメーションで表現しているのが笑いどころ。いくつかのキャラクターは実際に見てみたいと思えた。
脚本はうえのきみこ。シーズン1から、SF的なつじつまあわせは雑なのに、根本にセンスオブワンダーを感じさせ、いわば天然HGウェルズのよう。現代のSF作家なら照れてエクスキューズをたっぷり入れたり、先例を恐れてこねくりまわしたりしそうなところ、素朴に堂々とアイデアを物語化する。それが素晴らしい作画演出と奇跡的な合体を見せる。