異性装プリキュア。ヒメが誠司を意識しはじめたかと思ったら、めぐみが好きな相手と思って意識するという、やや間接的な関係。ラブコメでよくある、主人公の恋愛に無償で協力する同性の友人ポジションのよう。
進展しているかどうかも不明なラブコメの当事者より、それに複雑な感情をおぼえてしまうヒメの魅力があふれた回だった。
しかしこうなると、やはり誠司が良い子すぎることが問題に感じてくる。同じシリーズ構成の過去シリーズにいたココやナッツのように、わかりやすい弱点がひとつあれば、そこを起点に協力や衝突を描けるのだけど。
それはそれとして作画は不思議と良かった。普段は手癖の強い河野宏之作画監督だが、今回は適度に癖を残しつつ、手描きの味わいと感じられる範囲にとどめている。キャラクターデザインから離れて人体として再構成して作画することで、立体感と肉感まで感じられた。
ちょっとふりかえったキュアプリンセスの、鼻筋から口元にかけてのラインが好み。下みたいな感じで、ちょっと厚目のクチビルも珍しい。
アクションも、作画演出ともに良好。今回は原画がいつもの3人ではなく、上野ケンをはじめとしたアニメーターが集っていた。演出の鎌仲史陽*1の初登板した第6話が上野ケン作画監督だったが、そのコネクションもあるのだろうか。
10周年挨拶はキュアルージュ。個性的なようでいて、実はツッコミとして他のキャラクターとからむことで真価を発揮し、なおかつ目立った口癖もないから、台詞のそれらしさを感じなかった。竹内順子の珍しい少女役をひさしぶりに楽しめたので、それ自体が個性ではあるが。
*1:本人ツイートによると、脚本で未登場だったブルーをコンテ段階で登場させたとのこと。https://twitter.com/Nobuharo1974/status/470424172158402560