法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』のび太鉄道/物体変換銃でカバンをカバに!?

ベガエンタテイメントとスタジオエルが前後を下請け。動きは悪くなかったが、後半はかなり絵柄の癖が強い。


のび太鉄道」はアニメオリジナルで、チョークで描いた線路を走る路面電車が登場。シンプルな機能からの原作を思わせる多様な展開と、TVアニメならではの映像としての面白味が両方あり、なかなか楽しめた。
のび太が例によって商売しようとたくらむが、線路を引いてまわるために疲労困憊するわ、オーバーランをくりかえすわ、口コミで客が集まって満員電車になるわ、等々の風刺っぽい問題にひととおり直面していく。いったん車両を増やして対応したかと思えば、秘密道具の特性のため失敗。ただ失敗しつづけるのではなく、ジャイアンが朝食を持ちこむ前にのび太しずちゃんが朝食を持ってきてあげていたりと、うまくいった場面に前ふりが忍ばせてある構成もうまい。のび太がひどい目にあったことを、放置されているスネ夫で間接的に表現する手法も洒落ている。
演出面では、冒頭のリアルなジオラマをミニチュアと表現するためにオリボ・バービエリの手法を思い出させる撮影表現をしていたところが印象的だった。全体的に作画も良いし、住宅街をいく路面電車という情景も風情があった。


「物体変換銃でカバンをカバに!?」は物体の名称の文字をおきかえて、別の物体に変換する道具が登場。ほぼ原作通りだが、「ダイコン」を「ラジコン」へ変換するところが「パソコン」にかわっていたり、原作通りにオチてからCMをはさんで数分だけオリジナル展開をする。「ママ」を「クマ」に変えた場面は、ちょっと過剰描写で別アニメのようだった。
作画監督はベテランの竹内アキラで、かなり癖が強い。ジャイアンの服が風呂化した場面のエフェクト作画などは悪くなかったが。