法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『月に囚われた男』

ダンカン・ジョーンズ初監督のイギリス映画。俳優はほとんど主演1人だけの低予算で、2009年に公開された。
物語の舞台は、たった1人で燃料採掘装置を維持している月面基地。燃料採掘中の事故をきっかけとして、意外な真実があばかれる。
基地内セットは充分なサイズだが、低重力らしさが全くないのはマイナス。しかしミニチュア感のある月面は、粗い質感が逆に好感が持てる。


SFとしては『アウターリミッツ』や『ウルトラQ』くらいの展開と密度。適度に古くて、背伸びせずに物語をまとめている。
どんでん返しは序盤の真相開示くらいしかなく、その後はけっこうダラダラとした会話劇で進行するが、意外と飽きずに最後まで楽しめた。特に奇をてらった映像や気のきいた台詞があるわけでもないのに、不思議な感覚だった。
オチは語りすぎと思わないでもないが、娯楽作品としてまとめようとするサービス精神は悪くない。叙情的なのに説明不足ではない。