過去の文章や音声を再構成し、再現ドラマや関係者インタビューを重ねて、偉大な漫画家「藤子・F・不二雄」の足跡を描いたドキュメンタリー。
さまざまな分野の第一人者を紹介するNHK総合『プロフェッショナル 仕事の流儀』が、「特別編」と題して送った。
藤子・Ｆ・不二雄（2013年10月21日放送）| これまでの放送 | ＮＨＫ プロフェッショナル 仕事の流儀
『21エモン』終了後の苦悩について、編集部に送られた直筆の手紙が紹介され、そこから再起につながったという構成。『ドラえもん』誕生の経緯を中心にしながらも、その直前に好きなものを描けた異色SF短編や、『オバケのQ太郎』以前の作品群にも言及。
日常をうかがわせる家族の証言や、創作姿勢をうかがわせる元アシスタントの証言も興味深かった。
もちろん、さすがに番組独自の特別な新情報というものはほとんどない。亡くなられてから長く、偉大な漫画家だけあって、過去から多くの情報がさまざまな媒体で流れている。諸説ある部分について確定できる情報もえられなかった。身近な人物や関連イベントについて、最近の姿を見せたくらいか。わりとネガティブな出来事も描かれていたが、規則正しい生活をおくる動機となったろう締め切り破りのエピソードもなし。
いったん『ドラえもん』が最初のTVアニメ終了にあわせて最終回を迎えたことも、よく知られている話*1。ただ、この番組が採用した、一度目の最終回で第6巻まで単行本を出し、それが百万冊売れるヒットを飛ばしたことで連載再開したという説は、過去に見聞きした諸説と少しニュアンスが異なっていた。
