法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』にんげん機関車/箱庭で松たけがり

一ヵ月ぶりの放映で、今回は前後半ともに原作あり。
冒頭では、誕生日企画で福島県の子供たちに着ぐるみドラえもんが会いに行った風景が映された。


「にんげん機関車」は、煙突をかぶって石炭を食べて水を飲めば、蒸気機関車のようなパワフルな走りが可能となる。原作の別回に「SLえんとつ」という似た設定の秘密道具が存在する。
ほぼ原作通りだが、しずちゃんを人力車に乗せたり、出木杉スネ夫が二人三脚の練習をしたり、機関車の煙で皆が困ったり、ちょっと途中の展開をふくらませていた。
しかし、アニメーションとしては期待したほどではなかった。電車と競争する場面で背景動画があったり、描線を太くする演出などもあったりしたが、作画がこたえきれていない。もっと機関車らしい動きの激しさを映像として見せてほしかった。


「箱庭で松たけがり」では、箱庭のような小さな山に小さくなって入り、さまざまなレジャーを楽しむ。のび太しずちゃんドラえもんと力いっぱい松茸狩りを楽しみ、パパは渓流でイワナをたっぷり釣り、調子にのって失敗したりジャイアンが乱入したりすることなく終わる。
ただただ秘密道具を楽しむだけで終わるところが、原作でも独特だったエピソードだ。不幸になっているのは、せいぜい結末で松茸やイワナを見せられたママが、錯乱して夢だと思いこんだことくらい。
箱庭の中にイノシシが配置されているというのは、アニメオリジナル設定だが、いかにも秘密道具らしい理不尽さがあっていい。松茸を探したり調理する方法の細かい描写もリアリティを生んでいて、楽しそうな雰囲気を肌ざわりあるものとして形作っていた。