「夏祭り」をテーマにしたアニメオリジナルの前半と、夏の宿題という季節ネタをアニメ化した後半と。
「のび太の夏祭り大作戦！」は、急な大雨予想で中止になった夏祭りのかわりに、「夏祭りキット」という秘密道具で小さな屋台や櫓を子供たちで用意して、小さくなって遊ぶという物語。
テレビ朝日の『ドラえもん』における第1話「ゆめの町 ノビタランド」の夏祭りバージョンといったところ。夏祭りキットは看板に文字を書くだけでなく、もう少し手作り感があれば原作らしさが出て良かったと思うが、全体としては悪くない。神社の縁の下に屋台を置くことになる経緯が自然に描かれていたし、夏祭りがメチャクチャにされる伏線は気づいたものの危機を脱する伏線は気づかなかった。
「サハラ砂漠で勉強はできない」は映像を周囲に投影して風景を変える秘密道具が登場。本筋は原作を尊重しつつ、アニメ独自の面白い描写が多かった。
たとえば、途中で出会う遭難者が偶然に助かるのではなく、のび太たちの助力によって救われたという展開へアレンジされていた。原作よりも紆余曲折ぶりが強調されて、のび太が疲れはてる説得力も高まっており、良いアニメアレンジだったと思う。
他にも友人の部屋を映していく場面で、スネ夫が苦労しながら勉強はしようとしている姿をドラえもんが誉めたり、暑さに疲れてだらけている静ちゃんがスリップ1枚だったり、出木杉の宿題をカンニングしようとしたり、違和感のない範囲で描写を深めていた。
